PAとはPublic Addressの略で、人に伝達することを意味します。音楽をやってる人にとってのPAやPAシステムとは音を伝達するためのシステム、ようするにミキサーやスピーカーなどです。
ライブに出るとなればよく耳にするPAやPAさんですが、この場合はPAシステムを操作する人のことを指します。
このようにPAとは機材のことから操作する人まで幅が広く定義が曖昧のようにも思えますが、PAシステムとなれば音を伝達するための機材です。
音を調整してスピーカーから鳴らすPAシステムはライブ以外でも使われます。校内放送、店内放送、カラオケなど、PAシステムの理解を深めることでライブでのPAさんへの気配りや自宅モニタリング環境作りまで、幅広く対応できるようになります。
ということで今回はPAについて、機材の解説をしていきたいと思います。
メインとなる機材
ミキサー
マイクや楽器の入力信号をスピーカーに送るためのPAシステム最重要機材ともいえる役割を果たすのがこのミキサーになります。小型のものから多入力のものまであり、用途に応じて様々に対応できます。
■アナログミキサー
スタジオに置いてあるものも含め一般的なミキサーはほぼこのタイプになります。入力数などによっては手頃な値段のものも多いです。
■デジタルミキサー
最近のライブハウスではデジミキを使うところが増えているようです。EQやPANなどをプログラムできますし、アナログと違ってリハで作った設定を完全に復元できます。一部製品にはメモリ機能が搭載されていないものもあるようなので注意は必要です。
パワーアンプ
ミキサーやスピーカーはパワーアンプが内蔵されていないと音が出ません。
パワーアンプ内蔵のものはパワードと呼ばれたりします。ミキサーにしろスピーカーにしろパワードタイプでない(パッシブタイプ)ならパワーアンプがないと音が出ませんので気をつけてください。
パワーアンプには大きく分けて2つあります。
■ハイインピーダンス
1台のスピーカーで複数のスピーカーを接続できます。多数のスピーカーを使う商業施設などで使われます。
■ローインピーダンス
ハイインピーダンスに比べ音質がいいとされるため、ライブハウスなどで使われます。
スピーカー
パワーアンプなどの機器からの入力を音にして出します。接続の際はスピーカーケーブルを使いましょう。
■SR用スピーカー
ライブハウス、スタジオ、祭など、広い場所で使うことを目的としています。ステージの横で客席に向いてるスピーカーがあればこれだと思ってください。
■モニター
ステージに向いているスピーカーです。演者が自分たちの音を聞けるように設置されたもので、ボーカルが足を乗せて歌っているのをテレビなどで見たことありませんか?あれがモニター、もしくはフロアモニターと呼ばれたりもします。
■スタジオモニター
もし家にDTM環境を整えたいのであれば探すべきモニターはこのスタジオモニターとなります。パッシブでもパワードでも様々なモデルがあり、どちらにも様々な価格帯で評価の高いモニターはあります。
■サブウーファー
一般的に使うことはほとんどないと思います。フルレンジスピーカーの低域を補うために使うもので、使用する場面としては主にライブでしょう。
状況に応じて使われる機材
メインと違い使う場面が限られるもの。
■DI
主にライプやレコーディングで使用します。DIを必要としない機材もありますのでメインから外しました。
■チャンネルディバイダー
チャンデバと略されます。チャンデバはライブでもしない限りは使うこともほとんどないと思われるためメインからは外しました。
チャンデバを使うのはクロスオーバーの設定時です。クロスオーバーは低域、中域、高域などをSRスピーカーやサブウーファーなどに分割して送るための周波数の設定のことをいいます。通常のリハーサルスタジオでチャンデバを使っているところはほぼないと思いますが、ライブ会場では本番前のチューニングでクロスオーバーによる周波数の住み分けを行います。この設定次第でスッキリとした聞きやすいサウンドからモコモコっとした埋もれたような音までを会場内に作り出すことができます。
■エフェクター
ミキサーに接続して使う外部ミキサーの主なものが、
EQ、コンプ、リバーブ
になります。あとはリミッターやゲートなども使われる頻度としては少なくはないと思いますが、この3つはズバ抜けて使います。ライプではPAさんが必ずといっていいほどに使っています。とはいえこれも場所によっては必要とされないためメインからは外しました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。メインと状況によっては必要な機材を解説してきましたが、音楽をする人にとってのPAとはライブハウスの音響さんが第一に思い浮かぶと思います。
ですがPAとは幅の広いもので、今回解説した機材について理解を深めるだけでもライブに向けて気をつけるべき意識の持ち方であったりDTM環境作りであったりとサウンドに対する知識も深まります。
今回のお話がPAについての知識を深めるきっかけになってもらえたら幸いです。
それでは最後までお読みいただきありがとうございました。