一人で楽器を演奏して楽しむという方には今からお話する内容は関係ありません。楽器本体やアンプから出る音がすべてですのでその音と向き合うほかにありません。
ではバンドなどの複数人で演奏する場合はどうでしょう。
色んな楽器の音が混ざって一つの音楽を作るわけですから、せっかく一人で音作りをしたとしてもバンドで合わせると音が埋もれてた、なんてことはもう本当にあるある過ぎるあるあるですよね。
ようするに音作りは一人で100%完結するものではなく、他の楽器と混ざってその中で理想の音を出せるかが重要なんです。ハーモニーというやつです。
バンドなど複数人で演奏する場合、楽器単体でも音作りして、かつ、全員で合わせながらも音作りするべきです。
じゃあ音作りってどうやってするの?
という人のためにも今回は音作りにおけるちょっとしたコツをお話していきたいと思います。
音量のバランスを取る
イコライザーで細かく調整などの前に、まずは単純な音量のバランスを取りましょう。
僕の場合は室内の真ん中に立って聞いてます。
音量バランスの取り方は人それぞれあると思いますが、僕の場合はまずドラムだけ鳴らしてもらい次にベースです。キックより少し小さめな音量にしてもらい、次にボーカルです。少しベースより大きめを意識してドラムと合わせたときに音量負けしない程度に上げます。それからギターをボーカルを消さない程度に上げて、キーボードがあればギター同様にボーカルの音量に注意しながら音を上げます。
順番でいうと、
- ドラム
- ベース
- ボーカル
- ギター
- キーボード
僕の場合だとこの順で音量を取っていくとバランスが取りやすいです。人によっては順番が違うこともあると思いますし、やりやすいと感じる方法も様々あると思います。なにより大切なのは一つ一つを重ねてバランスを取る、これだと思います。重ねる順番は経験を積むうえで自分流を編み出すのもアリだと思いますので、ぜひ色々と試してみてください。
音が抜けるセッティングとは
音量のバランスを取った後はEQについて考えていきましょう。
EQとはイコライザーのことで周波数になります。音は超低域から超高域までの広い範囲で鳴ってますが、声質や楽器によって出る周波数帯であったり不要な周波数帯が変わります。
音が抜けるセッティングについて簡単にいうと、消しても音に影響のない無駄な周波数帯は削り、出すぎる周波数帯を抑えてその音全体の音量を持ち上げる、といった作業になります。
・ボーカル
ライブではPAさんがいてボーカルの周波数を調節していますが、バンド練では自分で調節するしかありません。
まず、超低域(√80があればそれ)をカット、それからGEQ(グラフィックイコライザー)の16kHzを声質が変わりすぎない程度に下げる。この辺りの周波数帯は声の成分がそれほどないので他の楽器と被らないためにも削りましょう。
あとは声質によりますが、ボヤけた声質の人はMIDのつまみ等を操作して500~800Hz辺りのボヤけポイントを削り、声を抜けさせたいときは2kHzか4kHz辺りを少し上げましょう。
ボヤけた声質の場合、中域を削ってすっきりさせることで聞きやすくなります。声の抜けは2kか4k辺りを上げると解決する場合が多いですが、やりすぎるとハイ高で耳に痛い音になりますので注意しましょう。
・ギター
中域~高域にかけて幅広く鳴るのでまずは音量に気を付けるべき楽器です。
まずは低域について。ここはベースやドラムと被るため少し削っておきたいポイントです。しかし、削りすぎるとスカスカになりギターの音が消える可能性もありますので程よく出してあげる必要があります。
次に中域。ボーカルが得意とする帯域でありギターも得意とする帯域です。バンドの顔であるボーカルの声と被る帯域のため、一人で音作りしたときより少し下げた方がバンドとしてまとまりやすい音になりやすいです。
高域はギターを抜けさせる意味でも少し上げます。上げすぎて耳が痛くなっては意味がありませんが、程よくハイが鳴ってるとバンド全体になじみやすくまとまりやすいです。
超高域を使う場合は出しすぎてキンキンと耳障りな音が目立つなら削った方がいいです。あくまでバンドの顔はボーカルですから声を全面に出すためにもギターは単体で鳴るというより全体に馴染んでるをイメージした方がバンドサウンドとして聞きやすいまとまった音に仕上がります。
・ベース
超低域は少し削り気味で、音が抜けない場合は中域、高域も足していきましょう。
ただしあくまでもベースは低域が主な成分ですから、ここが足りなければバンド全体が迫力のない寂しい音になってしまいます。
あとはコンプを使って音圧を上げることも大事です。ライブではPAさんがボーカルにもドラムにもコンプを挿しますがベーシストは自分でコンプを使ってる人が結構います。音も安定しやすくなりますし音作りとしてコンプの使用はかなりアリだと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
全体としての音作りのポイントから各パートのポイントにも触れていきました。
音作りはバンドやってる人が必ず苦労するところですし、音作りだけの時間を作ってもいいくらいに重要なものです。
音作りでお困りの人へ今回のお話が少しでも参考になればと思います。
それでは最後までお読みいただきありがとうございました。