ボーカル、ナレーション、セリフなど、自分で声を録音することが昔に比べると圧倒的に簡単になりました。
とはいえ音が小さい、ノイズが気になる、クリアに録れないなどの問題にぶち当たった人は少なくないと思います。いくら簡単に録音できるようになったとはいえ、録音データのクオリティを上げるための環境づくりやDAWの使い方は勉強するしかありません。
そこで今回は自分でレコーディングする際の環境づくりからRECまでを解説していきたいと思います。
作業環境を整える
■声を録音するために必要なもの
・パソコン
・DAWソフト
・オーディオインターフェイス
・マイク
・ヘッドフォン
パソコンとオーディオインターフェイスを接続し、マイクとヘッドフォンもオーディオインターフェイスに接続します。
マイクはハンドマイクではなくスタンドにセット。ポップガードはマイクから10~20センチほど離しましょう。
■音量レベルの確認
まずはヘッドフォンで聞きながらオケの音量を上げます。自分の声も聞こえないといけないので上げすぎには注意が必要です。それから声の音量確認です。自分の声が聞こえなければマイクの音量を上げるしかありませんが、上げすぎてピークを超えるとアウトです。
音量のバランスが少し難しく思えるかもしれませんが、コツとしては声の最大音量を発してインプットゲージがPEAKに達しない位置まで入力ゲインを上げる。その声の音量よりオケが少し小さいくらいに合わせると音量バランスは取りやすいかと思います。
この段階でもし全体的に音が小さいと思うなら操作すべきはアウトプット(出力)のレベルです。出力レベルは聞く量を調節するだけですので基本的に録音する声に影響はありません。あるとすればヘッドフォンから漏れる音が大きいとマイクが拾ってしまうというくらいです。
■コンデンサーマイクを使用する場合
コンデンサーマイクはとても感度が良く小さい音でも拾ってくれます。だからこそ細かいニュアンスを逃さず録音でき、しかも明瞭でクリアな音が録れます。
が、少しノイズであったり残響音やクーラーなどの環境音も感度が良いためにしっかり拾ってしまいます。なので自宅で録音する場合は残響音、環境音に注意してレコーディングしてください。仮録音してそのあたりの音を確認しておいた方がいいです。
レコーディングする際の注意点
録音レベルの確認などが終わればいよいよレコーディング開始です。
1テイク録ったら一度確認する
ここでいう確認とはピッチやリズムに重きを置いているわけではなく、ブレスやリップノイズや環境音などが適正かどうかの確認です。もしノイズが乗っているなら水分を取って口を滑らかにしたりレコーディングに必要のない電化製品は電源コードを抜いてみたり、マイクとの距離や角度を変えてみたりして、できる限りノイズレスな録音ができるように対策しましょう。
自分でレコーディングするので何テイク録ってもだれにも文句は言われません。自由です。いい音で録るための確認テイクはやっておいた方が編集時に楽になります。
2、3テイクは録っておく
ベストなテイクが取れるまで何回もレコーディングしたいところですが、喉の調子であったり何テイクも繰り返すことで変な”慣れ”が出て最初の方と最後の方で妙な違いが出たりします。ですので1テイク1テイクでベストテイクを出すつもりでできれば3テイクは録っておきたいところです。
編集時に各テイクのいいところをピックアップして1本のデータにまとめることでよりいいボーカルデータが完成します。できるなら1曲通しでできたらいいのでしょうが、僕の場合は1番のA、B、サビのように録音する場所を区切ってそれぞれ3テイクほど録るようにしています。最後に1本のデータとして編集してしまえば録音時に区切ってようが関係ありませんので、よほどこだわりがない限りは区切ることをおススメします。その際は、区切ったことによるA➡B、B➡サビの声質の変化が起きないように気を付けてください。
別日に持ち越さない
「今日はここまで録って残りは明日にしよう」
なんて考えてレコーディングした場合、喉の具合が微妙に変わっていたり天候や気温や湿度などが変わっていたりなど色々な要素が絡み、そうして繋ぎ合わせてできたデータが不自然だったなんてことになっては2日間が無駄になってしまいます。
声は繊細です。質感や音量の微妙な変化で大きな違和感を生み出しかねませんので、よほどの理由がない限りはその日のうちに録り終えることを心がけましょう。
まとめ
レコーディング時の環境づくりからレコーディング本番での注意点までを解説してきました。
自分で録音する利点はなんといっても「お金」と「時間」です。スタジオで録るとなればスタジオを借りるだけでお金がかかりますしエンジニアさんにお願いするとなればもっとお金がかかります。
その点だけでも自分で録るメリットは大いにあると思いますし、音に対する知識や感覚も磨けるのでぜひ今回の環境づくりや注意点を参考に自分でレコーディングしてみてください。
それでは最後までお読みいただきありがとうございました。